WordPressがおかしくなると、「とりあえず怪しいものを消しました」「全部消してから、どうすればいいですか」と連絡をいただくことがあります。残念ながら、全部消した後では元に戻せず、サイトを新しく作り直すしかないケースもあります。焦った時ほど、削除より先に現状を残してください。

「全部削除」で失われるのは、ウイルスだけではありません

WordPressのファイルには、正規のプログラム、テーマ、画像、設定に加えて、調査に必要な時刻や配置の情報があります。データベースには記事、固定ページ、フォーム、注文、会員情報などが入っています。

一括削除や初期化をすると、次のものを同時に失う可能性があります。

  • 原因となったファイルや侵入経路の手がかり
  • 制作時に独自調整されたテーマや機能
  • アップロードした画像、PDF、資料
  • バックアップ以降に追加された記事や注文
  • 再発防止に必要なログや更新時刻

不正ファイルを消すことと、サイトを復旧することは同じではありません。正規データを残しながら、不正な部分だけを見分ける工程が必要です。

消す前に残してほしいもの

1

画面と警告文

真っ白でも、URL、エラー文、警告メール、転送先を画像やテキストで残します。

2

直前の操作

更新、有効化、サーバー設定変更、担当者の作業など、分かる範囲で時系列にします。

3

現在のファイルとDB

安全に取得できるなら、壊れた状態も含めて別の場所へ保存します。調査対象になります。

4

バックアップ情報

作成日時、対象範囲、自動か手動か、復元方法を確認します。まだ上書き復元はしません。

すでに消した、復元した場合も隠さず伝える

「怒られるかもしれない」と思って操作を伏せる必要はありません。復旧では、何をしたかが重要な手がかりです。削除した時刻、対象ディレクトリ、復元したバックアップの日付、再インストールの有無をそのまま伝えてください。

サーバー会社の自動バックアップ、PC内の制作データ、データベースの残存、外部サービスに保存された画像など、まだ材料が残っていることがあります。一方で、同じ場所へ新規インストールや大量アップロードを続けると、復元の可能性をさらに下げる場合があります。

安全な順番は「止める・残す・切り分ける」

焦っても、消さない。

まず更新・削除・初期化を止める。次に現在状態とログを残す。その後で、原因と被害範囲を切り分けます。削除や復元は、何が失われるかと戻し方を確認してからです。

いま削除しようとしているなら、その前に。

サイトURL、症状、直前の操作だけで相談を始められます。すでに消した場合も、その状態から確認します。

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